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2026年度 共通テスト講評🌸

小松校

2026年度の大学入学共通テストを一通り解いてみましたので講評を行いたいと思います。全科目の具体的な講評は挙げればきりがないため、全体に共通する傾向を分析しました。現在の共通テストはどのような能力が求められているか、旧センター試験とどのようにちがっているか、大学受験を終えて久しい世代の方にもぜひ知っていただきたい内容となっておりますので長文ですがぜひ最後までお読みいただけると幸いです✨(あくまで一人の高校部教師の私見ですので参考程度にお考えください。)

 

まず共通テストのすべての科目に言えることですが、総じて文章量が多いことと、データや資料の分析、条件の読み取りが求められるため、「読解力」と「考察力」がないと太刀打ちできないテストとなっております。

旧センター試験は科目によっては「半分の時間で解き終わった」という報告を聞くのも珍しくありませんでしたが、共通テストで「時間が大幅に余った」という報告はまず聞きません。「数学」ですらリード文の文章量が増え、解く前に条件やデータを読むことに時間を割かなければならないことが前提となっています。

本来読解力を測るには十分なはずの「国語」や「英語」だけでなく、「数学」も「社会」も「理科」も「情報」も「読解力」を測るテストとなっています。裏を返せば、必ずしも完璧な知識がなくとも,与えられた条件を正確に読み取り、論理的に考察できれば正答にたどり着ける問題も存在します。一方で,単純に「知識」そのものを問う問題の比率は確実に低下しています。旧センター試験は知識としての「基礎学力」を問うものが中心となっていましたが、共通テストは「読解力」と「考察力」を測るテストへ性格を変えたと考えて差し支えないでしょう。

たとえば、今回も様々な趣向を凝らした「考察力」を問う問題が出題されましたが,その中でも白眉なのが,「世界史探究」で出題された漫画『ベルサイユのばら』を題材にした問題です(SNSやメディアでも取り上げられ話題になりました)。

漫画の1シーンをもとに生徒たちが話し合うという設定の問題で、

「主人公であるオスカルは貴族女性でありながら男性として育てられた」→

「当時の貴族は将軍職などを男性のみが継ぐことができる」→

「 息子のいない父親がその地位を継がせるために、オスカルを男性として育てた」

という趣旨を長いリード文から読み取る必要があります。そのうえで,フランス革命を経た後,父親の家父長権が肯定されたのか、それとも否定されたのかを考えさせる問題でした。

フランス革命後でさえ依然として父親の権力は強く、女性の従属的な地位は続いた、という点に気づくには日頃から物事を「考察」する姿勢がないと難しいと思います。教科書や資料集の片隅に載っている内容ですが、ここでは知識そのものを問うているのではなく、授業内外を問わず、日常生活の中で疑問を持ち,興味を持って調べ,考えてきたか、といった姿勢を測っているように感じられます。

共通テストは大学進学を希望する全受験生が受験するというものではありません。一部私立大学は「共通テスト利用(または併用)」という入試方式を取り入れていますが、共通テストは基本的に「国公立大学志望者の一次試験」です。

したがって最近の傾向を見ていると「国公立大学志望者は論文を読み、興味を持って考察し、成果をまとめて発表するという研究者としての最低限の『素質』を備えていなければ入学を認めない」という大学入試センター側のメッセージ性を感じます。

「読解力」や「考察力」といった「素質」は先天的な能力だから、生まれ持った能力差が大きいという悲観的な意見もあります(いわゆる持って生まれた「地頭の良さ」といった考え方です)。この点に関しては私は思うところがありますので稿をあらためて後日述べたいと思います。

今後こうした傾向が続くと共通テストの受験を回避する受験生が増加しそうです。

現在、全受験生の半数以上が推薦入試を利用して大学に合格しているとも言われます。「学校推薦型選抜」や「総合型選抜(いわゆるかつてのAO入試)」は年内に受験が終わることも多く、共通テストの受験が必要ない場合もあります(国公立大学でも推薦入試が増えています)。

一発勝負の試験に賭けるよりは自身の強みや普段の内申点を有効活用するという道を選ぶのも自然な流れでしょう。定期テストの成績や学級外活動の記録が今までにまして重要になるのです。

また,英検などの英語資格の取得率が一段と高まるでしょう。英検準一級を取得すれば共通テスト英語が満点扱いになる大学も多くあります。今年は英語リスニングも平均点が低かったのですが、英検準一級を取得して満点扱いにしておく安心感は計り知れません。一般入試の準備だけでなく、あらかじめリスクを分散させておくという早いうちからの逆算した計画が、行きたい大学を狙ううえで有効な戦略となるでしょう。

当たり前ですが何事にも努力がものをいうことに変わりはありません。いくら「考察力」が要求されるからといって「知識」がなければそもそもたどり着けない問題が大多数です。ただし,共通テストは正しい「分析」と「練習」を重ねることで,必ず得点力を伸ばせる試験でもあります。

やはり早い段階から活字に親しんで確かな「読解力」を身につけること、そして「物事に興味を持ち,考え,表現することのできる知的な環境に日常的に身を置く」こと。これ以上に王道と呼べる勉強法は,存在しないのではないでしょうか。

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