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【高校部】おすすめ読書案内 『三四郎』夏目漱石 著

金沢本部校

 

期末テストの勉強にみんなが追われている中ですが多くの生徒から夏目漱石の『こころ』をちょうど今授業で扱っていると聞きました。『こころ』は夏目漱石の生涯において晩年に書かれた後期の作品ですが、『三四郎』は『それから』、『門』と続く前期三部作のひとつとしてまとめられる作品です。主人公の三四郎は明治時代の末、熊本から東京大学に進学するために夢と希望に胸をふくらませて上京する途中、列車内で出会った謎の紳士とこのような問答になります。

 

―あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない」と言ってまたにやにや笑っている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出会うとは思いもよらなかった。どうも日本人じゃないような気がする。
「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、
「滅びるね」と言った。

 

日本がこれから発展することを誰もが信じて疑わなかった時代におけるこの鋭い予言は約35年後に日本の敗戦によって実現してしまいます。なぜ日本は滅びると思ったのか、そしてこの謎の人物は一体誰なのか。東京で学生生活を送る三四郎が恋に、勉強にと新しい経験を重ね成長していく爽やかながらも少しほろ苦い青春ストーリーです。東京に行くときはこの小説が由来となった東京大学本郷キャンパス内にある「三四郎池」をぜひ探してみてください。

 

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【高校部】Reading is to the Mind what Food is to the Body~読書は心のごちそう~

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