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受験の現実②~文系 or 理系?~

小松校

指導経験から見てきた「受験の現実」を様々なテーマを切り口に論じてみたいと思います。前回の記事はこちら。

進路や受験について真剣に考えている生徒の方、また受験を終えて久しい保護者の世代の方にも、現在の受験のことについて基礎知識をお伝えすることも目的としております。

何事にも例外というものは存在しますので、あくまでもこういった傾向があるのではないかと考える個人の主観的な感想として、参考材料程度にお考えいただければ幸いです。

また不定期の連載となりますことをご容赦ください。

 

今回のテーマは「文系」「理系」についてです。高校生になってまもなく、一般的には高校1年生の2学期には「文系」「理系」かを選択することを迫られます。将来の進路を考えるときに大きく分けて①「文系×国公立大学」②「文系×私立大学」③「理系×国公立大学」④「理系×私立大学」の4つのパターンがあるため、それぞれを選択するメリット・デメリットについて考えていきたいと思います。

まずは「文系」「理系」の入試科目数のちがいですが、「文系」は国立大学だと「社会」は共通テスト(一次試験)のみ使うところが多く、二次試験に「社会」(「日本史」、「世界史」、「地理」)は不要な場合が多いです(とはいえ東大・京大・一橋などの最難関大に関しては「社会」が二次試験に1~2科目必要です)。一方、「理系」は「理科」(「物理」、「化学」、「生物」、「地学」)の中から2つの科目を選び、ほとんどの大学で共通テスト(一次試験)・二次試験の両方に使います(「生物」と「地学」は使用できる大学・学部が限られているため「物理」・「化学」のペアを選ぶのがオーソドックスだと言われています)。さらに「理系」は数学Ⅲの分野まで履修しなくてはいけません(国公立大学の二次試験はこの分野を中心に出題されます)。「文系」が数学 Ⅰ・AとⅡ・BCまでの出題範囲であることを考えると、「理系」は数学だけでも追加で対策する必要があり、相当な科目負担となります。英語も「文系」に比べて多少配点が低い場合はあるものの基本的に出題範囲が文系と同じであることを考えれば同じレベルまで仕上げる必要があります。私立大学の科目数では「文系」は英語・国語・社会(または数学)、「理系」は英語・数学・理科(うち1科目選択の場合が多いです)であるためほとんど科目数の差がありませんが、国立大学を目指すとなった時に圧倒的な科目負担となるのが「理系」の特徴といえるでしょう。したがって特に「理系×国公立大学」を選択するからには受験学年を迎えてからの勉強では到底現役合格は間に合わないという認識を持ち、相当な覚悟を持って早めの受験勉強を開始する必要があることを肝に銘じてほしいと思います。

そこまでして「理系×国公立大学」にこだわる必要はあるのでしょうか?年間の授業料と設備費用なども含めると「理系×国公立大学」と比較した場合、「理系×私立大学」であればその倍以上は確実にかかります。4年間や医薬学科系の6年間分、さらに大学院進学も選択肢に入れた場合にこの差はさらに大きくなります。また国立大学の場合は研究設備や土地を多く持っていることもあり、地方の大学であっても十分研究を行いやすい環境があるのはまちがいありません(都市部はむしろ研究スペースが足りません)。私立大学は就職や資格取得のサポートが厚く、研究室やOB・OGの人脈も活かした面倒見の良さがあったり、その大学ならではのユニークな研究をしていたり、と様々な利点もあるため一概には言えませんが、「理系」の場合はまずは偏差値に関わらず地方大学であっても歯を食いしばって国公立大学を目指すことの価値は高いと言えそうです。

一方「文系×国公立大学」はどうでしょうか?こちらも国立大学の授業料の基準は理系と変わりませんが、「文系×私立大学」でも理系ほど高額にはなりません。また「文系×国公立大学」は特に地方大学であればその地域における教育やインフラの担い手である公務員としての採用には非常に強い一方、他地域での民間企業の採用例が極端に少なくなる傾向にあります。「文系×私立大学」は特に都市部において有名大学であれば全国的にも民間企業の採用数が増えるため、それぞれどちらを目指すか幅広い選択肢の中から考えることが重要です(おおざっぱに分けると研究者や公務員を目指すのであれば「国公立大学」、資格取得や民間就職を目指すのであれば「私立大学」といったところでしょうか)。特に「文系」の場合、より偏差値の高い大学を目指すほうがそれに比例して全国的にネームバリューのある就職先を得られる可能性が高いように感じます。

「理系のほうが就職に有利」といったことも言われますが、医薬系や研究・開発、インフラ整備など一部の「理系的な」技術職をのぞいて、世の中の仕事は事務を処理したり、人間社会の問題を解決したりする「文系的な」要素の仕事が多くを占めています(経営にも「理系的な」技術だけでなく「文系的な」知識や言語能力が必要でしょう)。文理の間の壁は崩れつつありますし、AIが台頭する現在、「文系」であっても「理系」の知識が、「理系」であっても「文系」の知識が今まで以上に必要になることは間違いありません(「情報」の必修化がそのことをあらわしています)。「理科」「社会」のどちらの分野により興味があるかということが文理選択の大きなポイントになるかと思いますが、どちらの道を選ぶとしても、日本はまだまだ学歴社会ではあるので(キャリアプランに学歴はつきものなので)、基礎的な学力を高めて「勉強」を頑張ってきた証をしっかりと残したいものです。この夏休みはオープンキャンパスに行って大学の研究を体験してみたり、各大学のHPから学生の数年分の進路をチェックして大学生活とキャリアプランをイメージしてみましょう。文理問わず難関大学を目指すのであれば早いうちから勉強をし続ける習慣が絶対に必要ですし、大学受験は全国勝負なので自分にとっての頑張りはまだまだライバルから見れば甘いものかもしれません。この夏休みの間に誰よりも受験勉強をやり抜いて大きく成長することを期待しています🔥

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