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【国語お悩み相談コーナー②】「国語に答えはない」?

金沢本部校

「国語に答えはない」?~国語の正しい選択肢の選び方~

 

 

「国語には答えがない」とよく言われています。みなさんも疑問に思ったことはありませんか?「国語は答えが一つに定まらない」「そもそも解釈は人それぞれだし、問題なんて作れないなんじゃないの?」などなど。。。

 

しかし、「国語には答えがない」わけではありません。より正確には「国語には唯一絶対の答えがない」です。「正しい答え」「正しい解釈」がたくさんあります。また、「解釈が人それぞれ」というのもその通りです。けれど、だからといって「すべての解釈が正しい」わけではありません。「明らかに誤った解釈」は存在します。

 

複数の答えがある国語の問題における「正しい選択肢」とは、「ただ一つの絶対に正しい解釈」ではなく、「客観的に可能な解釈のひとつ」であるといえます。「絶対に正しい」と判断できない場合であっても、積極的に誤りであると判断できる根拠が見当たらず、適切な根拠が示されていれば、それは一つの正解になります。

ですから、複数の選択肢の中から選択する問題では、積極的に正しい答えを選ぶというよりも、積極的に誤りであると判断できる選択肢を除外する消去法の解き方が有効です。さらに万全を期すならば、残った選択肢についても、本文から根拠が見つかるかどうかを確認し、「ここに一応は根拠があるし、そういう解釈もまあ可能だな」と思えれば安心ですね。

 

では、「明らかに誤った解釈」とは何でしょうか。例えば、論理が破綻・矛盾したものです。因果関係が逆転していたり、因果関係が成立していなかったり、本文の記述をわざと誤読していたり、適切な言い換えになっていないような説明がされている選択肢などは誤りです。また、本文に根拠が全くない、ねつ造された選択肢も誤りです。選択肢の文全体が誤っている場合や、ピンポイントで誤っている場合がありますので、一つ一つの選択肢について、要素ごとに分けて「この部分は正しい」「この部分は明らかに違う」と吟味するとよいです。

 

ネットを見ていても、一見それっぽいことを言っているけれど、よくよく精査してみると論理が破綻していたり、事実を曲解・捏造していたり、話の一部を切り取って論点を捻じ曲げたり、こじつけの論理をわざと振りかざして人を騙したり扇動したりする人をよく目にします。故意にやっている人もいれば、無自覚にやっている人もいます。残念ながら、世間にはそういう人間が少なからずいます。そしてそれらを鵜呑みにして、知らず知らずのうちに加担してしまう人もまた、たくさんいます。また、読解力や論理的思考が鍛えられていないゆえに、人の意見を正しく理解できず、誤解する人も非常に多いです。

 

偏った意見や詭弁に惑わされたり、加担したりしないよう、情報や意見を精査する力を養うことが、国語の勉強の意義のひとつであると私は思います。そしてなによりも重要な意義は、相手と正しく意思疎通をするためです。そもそも、他者が書いた文章を読むことは、他者の考えや価値観、ものの見方に触れることです。「多様性」の社会で、異なる文化や価値観を持った他者を理解することや自分のことを適切に伝える力は、互いに尊重し合って平和に共生するために重要です。

受験勉強のために仕方なく勉強しているという人もいるかもしれませんが、国語の勉強を通じて自分の頭で論理的に思考する力、情報・論理を精査する力、他者を理解したり自分を理解してもらう力をしっかりと身に着けてほしいと願っております。

国語力の大切さは、国語力を身に着けてはじめてわかるものです。

前回の国語お悩み相談コーナー①「古文が読めない!」はこちら↓

【国語学習お悩み相談コーナー】①古文が読めない!

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国語お悩み相談コーナー③主観と事実の切り分け

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